職場のメンタルヘルス(その44) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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職場のメンタルヘルス(その44)

2019年11月06日 

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の44回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(ⅩⅩⅩ)
メンタルヘルス科専門医精神科医・心療内科医)との連携法を知りたい②~
メンタルヘルス科専門医師精神科医師・心療内科医師)との連携の具体的方法
⇒事業場外資源へのメンタルヘルス情報提供の依頼は文書で行うのが原則です。また、産業医が選任されている事業場においては産業医がメンタルヘルス対応するのが望ましいです。メンタルヘルス情報提供依頼書においてはメンタルヘルス情報提供を依頼する内容を明記した上で、メンタルヘルス専門医の主治医心療内科医・精神科医)がそのメンタルヘルス情報提供依頼事項に回答することに対する、メンタルヘルス不調者本人の同意書を提出する必要があります。職場からメンタルヘルス専門医師の主治医心療内科医師・精神科医師)に対するメンタルヘルス情報提供依頼書の様式例にしたがってメンタルヘルス情報内容を記し、最後にメンタルヘルス不調者本人の同意書を付加することで有効なメンタルヘルス科主治医との連携を図ることが可能となります。
直接メンタルヘルス科主治医との連絡や面会を行う場合においても、文書によるメンタルヘルス情報提供に準じた手続き、すなわち、メンタルヘルス科主治医より提供受けたいメンタルヘルス情報内容事前にメンタルヘルス不調者に明示し同意書を得ることが必要であり、さらに、メンタルヘルス不調者本人の同席が原則です。このような場合に備えて、あらかじめ衛生委員会などにおいて、必要なメンタルヘルス情報収集におけるメンタルヘルス不調者の同意の取り方や、メンタルヘルス情報提供依頼するメンタルヘルス情報内容基本的メンタルヘルス項目、またメンタルヘルス科主治医との連絡や面会の手続き方法などを定めておくことが望ましいです。
一方、当該メンタルヘルス不調者職場でのメンタルヘルス状態や行動、メンタルヘルス情報などをメンタルヘルス科主治医職場のメンタルヘルス情報提供することも事業場外のメンタルヘルス科主治医メンタルヘルス不調者本人職場におけるメンタルヘルス状態を正しく理解するため、あるいは復職、休職リワーク、休職)など復職支援判断リワーク判断)のための復職支援情報リワーク情報)として有用です。しかしながら、職場から事業場外のメンタルヘルス科主治医メンタルヘルス情報を提供する際においても、原則として当該メンタルヘルス不調者の同意が必要と考えられます。このメンタルヘルス情報提供する際のポイントは、できるかぎり「事実関係」を私情を交えずに記載することです。
ただし、当該メンタルヘルス不調者本人あるいは第三者の生命、身体または財産の保護のために必要があるとメンタルヘルス判断される場合であって、当該メンタルヘルス不調者本人の同意を得ることが困難であるようなときには、当該メンタルヘルス不調者本人の同意がなくてもメンタルヘルス情報を提供することが可能とされています。たとえば、メンタルヘルス不調者の自殺危険性に関するメンタルヘルス情報などの場合においては、そのメンタルヘルス状況積極的にメンタルヘルス科主治医に伝えることが必要です。
これらメンタルヘルス情報提供の原則を守った上で有効なメンタルヘルス科主治医との連携関係を築くためには、本来はメンタルヘルス情報が産業医らの手もとに集中されており、産業医らが就業上必要とメンタルヘルス判断するかぎりにおいて、集約・整理したメンタルヘルス情報が、職場の中でそのメンタルヘルス情報を必要とする者に伝えられるメンタルヘルス体制が望ましいです。この場合、メンタルヘルスの専門的な立場から産業医らはメンタルヘルス情報を集約・整理し、メンタルヘルス不調者プライバシーなど個人メンタルヘルス情報が守られたメンタルヘルス状態で、メンタルヘルス関係者間メンタルヘルス情報交換が可能になるよう、調整役としてメンタルヘルス機能することが期待されます。
産業医が選任されていない小規模な職場においては、衛生管理者などメンタルヘルスの推進を担当する者メンタルヘルス責任者となってメンタルヘルス情報を管理する必要があります。個人メンタルヘルス情報保護など個人情報保護守秘義務)に関しては、十分に留意する必要があります。
次に、メンタルヘルス科診療の費用の面もメンタルヘルス的に検討しておく必要があります。健康保険が適用されるのはメンタルヘルス不調者本人(および条件によってはメンタルヘルス不調者の家族)のメンタルヘルス科診療に限られるため、企業のメンタルヘルス担当者メンタルヘルス科主治医と面会してメンタルヘルス情報提供を受ける場合には健康保険は適用できないです。また、文書にてメンタルヘルス科主治医からメンタルヘルス情報提供を受ける場合においては、事業場内に保険診療を行っているメンタルクリニックなどメンタルヘルス科診療所を有し、産業医からのメンタルヘルス情報提供依頼がある場合を除いては、メンタルクリニックなどメンタルヘルス科医療機関は保険請求をできないです。メンタルクリニックなどメンタルヘルス科医療機関に対して無報酬で責任のあるメンタルヘルス対応を求めることは無理があり、全てのメンタルクリニックなどメンタルヘルス科医療機関には相応の報酬を支払うべきであると考えます。この保険診療適用であるメンタルクリニックなどメンタルヘルス科医療機関への報酬支払いの点についても、事前にメンタルクリニックなどメンタルヘルス科医療機関との間メンタルヘルス相談し、職場のメンタルヘルス対策として企業のメンタルヘルス責任者は相応の費用を負担することも留意しておく必要があります。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

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